整骨院は京都桂の「浅野整骨院」

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〒615-8193 京都府京都市西京区川島玉頭町19-1

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浅野整骨院オリジナルストーリー   小説編 「メサ・レドーナ」① 『はじまりはいつもねこ』

2021年05月07日

「おはようございます!今朝も素晴らしいお天気ね!」
大きなつばの帽子をかぶり萌黄色のワンピースを着たミス・エルザは当院の常連さん。
「やぁ、ミス・エルザ、お待ちしていましたよ」
彼女はいつも決まって朝一番の予約を入れる。
「今日はいつもの肩じゃなく腰をお願いしたいの。」
「どうかされたのですか?ミス・エルザ」
「それがね、うちのシャオが最近、あげてもいない子魚を咥えていることがあって。それでテラスや部屋中に変なものが落ちていないか探していたら腰がはってきてしまったの・・」
「シャオが・・確か外にはだしていないはずでは?」
「ええ。だから不思議で。わたし魚は苦手。だからシャオにも食べさせたことが無いの。どこから持ってきたのかわからなくて・・」
ミス・エルザは話しながら施術着に着替えて部屋へ戻ってきた。
「奇妙なお話ですね。またゆっくり聞かせてくださいね。ではうつむせになってください」
おしゃべりが大好きなミス・エルザは話し出すと止まらない。特に飼い猫のシャオについては真っ白な毛並みが自慢で時折、最近凝っている写真を見せてこられ、前回との違いについて尋ねられるのが多少の試練ではある・・・
「ミス・エルザ、腰、かなり強く張ってますよ。無理をしたんですね。今日はこのあと貼りクスリをしておきます。入浴まで貼ったままでいてくださいね」
「わかりました。これでも早めに来たつもりだったけれど、年には勝てないのね。でも、ここの貼りクスリを使うととても楽になるのが早いから助かるわ」
ミス・エルザは人懐っこい笑顔でにっこり笑って答えてくれた。飼い猫の写真の話などはともかくとして、彼女自身は愛くるしいとても素敵なレディなのだ。

温暖な海に囲まれた小さな島、ソンブレラ島。僕は島の小さな街で人々の疲れや身体の筋をケアする「整筋院 メサ・レドーナ」で施術師をしている。街の人々は僕の事を愛情をこめてこう呼ぶ。「パパ・アーサー」。「ドクター」より気さくな呼び名を内心気に入っている。この小さな街は賑やかだ。愉快な騒動から人々の暖かい絆、これから少しずつお話していけたらと思う。
さぁ、ミス・エルザが待っている。話をきかなければ。
ソンブレラ島「メサ・レドーナ」の物語の始まりだ。

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