整骨院は京都桂の「浅野整骨院」

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〒615-8193 京都府京都市西京区川島玉頭町19-1

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京都桂の浅野整骨院にご相談下さい
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浅野整骨院オリジナルストーリー   小説編 「メサ・レドーナ」⑥

2021年10月01日

『シャオ騒動』について僕は仮説を立ててみた。立証にはまだいくつか確かめなきゃいけないことがあるが。でも今は施術に集中しなければ。僕のモットーは一人一人に合わせた施術を、丁寧に細やかに!さぁ、最後の方は・・・
「こんにちは。パパ・アーサー」
聖歌隊のリーダーでもあるミセス・ブランシュは話す声も美しい。
「このところ足の疲れがひどくて・・ここへ来るのをさぼってしまったせいね」
ミセス・ブランシュは半年前から夫の介護をしている。夫のミスター・パーシヴァルは船大工の棟梁だ。ある日、船の修理中に気を失い、隣町の病院へ運ばれた。詳しい検査の結果むつかしい病であることが判明した。けれど、治療法がないわけではなかった。2週間に一度の投薬療法をすることで命は長らえるとドクターは言った。しかし副作用として指の感覚機能に障害がでる可能性があるとの説明もされた。それを聞き、彼は投薬治療を拒否した。パーシヴァルは寡黙な男だ。普段から黙々とまじめに丁寧に仕事をこなす。そのまっすぐな姿勢と確かな高い技術は彼の人柄そのものだ。静かで穏やかな浜の男の意志は固かった。周りは驚き、説得に努めたがパーシヴァルは静かに言った。
「俺は船大工だ。漁師の命を守る船をしびれた指先で造れなどしない。船を造る。それが俺の生きるってことなんだ」
家族が大事じゃないのか、愛する妻を一人残すのかとの周りからの問いには、いつしか答えなくなっていた。ただ頑なに投薬治療を拒否し、普段通り船工房へ出向いているという。けれど、治療を拒否した彼の体力は日に日に落ちているようで、ミセス・ブランシュの負担が大きくなっているのは誰の目から見てもわかるほどになっていた。
「無理をしすぎではないですか?僕たちにも頼ってください」
彼女の脚は筋がはりつめ硬くなっているのがわかる。ゆっくりと圧をかけ丁寧にほぐしていく。僕の施術がミセス・ブランシュの身体を楽にし、少しでも心身の癒しにつながればと願いながら。
「先週、ドクターが東の国から珍しいお薬を取り寄せてくれたんです。木の根から作ったとか。それを飲むと食欲が出て、夜も眠れるようになったようで。この3日ほど体調がいいようなんです」
「そうですか!それはよかった。ミスター・パーシヴァルが元気な時はどんどん来院してくださいね。身体中をケアしていきましょう!スペシャルケアを考案しておきますよ!」
僕の言葉にミセス・ブランシュはにっこりと微笑んでくれた。強さを湛えた微笑みはこんなに美しいのかと僕は少し見惚れてしまった。

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