整骨院は京都桂の「浅野整骨院」

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〒615-8193 京都府京都市西京区川島玉頭町19-1

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京都桂の浅野整骨院にご相談下さい
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浅野整骨院オリジナルストーリー   小説編 「メサ・レドーナ」⑤

2021年10月01日

比較的来院者が少ない日に予約を入れ来てくれるのがグランマ・マリーン。
「グランマ・マリーン、すいぶんと肩の筋がやわらいできましたね」
「本当に、ここへ来るたび楽になってきてオリーブオイルの大壺ももちあげられそうだよ。これもパパ・アーサーの治療のおかげだ。ありがとう」
「オリーブオイルの大壺を持ち上げるのははやめてくださいね」
グランマ・マリーンはこの街にはなくてはならない重鎮だ。随分と古い街の歴史を知っているのでそれなりの御年なんだろうが、本当の年齢を誰も知らない。知らなくていいと誰もが思っているのだ。些細な夫婦喧嘩から命の重大な決断に至るまでこの街の人々は何かあるとすぐグランマ・マリーンへ相談する。彼女の柔和な雰囲気と身体中から醸し出す温かみにふれるだけで、何故か安心できるからだ。
「そういえばパパ・アーサー、この間のランチ会は盛況だったそうだね」
施術着から着替え終えたグランマ・マリーンにあの日のことを僕は詳細に話し始めた。エレインの料理の腕前のこと、アムルの騒動のことなど、グランマ・マリーンは質問上手なのでいくらでも話してしまう。彼女と話しているととても心地いいのだ。これはグランマ・マリーンと話したことのない人には絶対わからないだろうけれど。そして気づかないうちに僕は近づいていく。ミス・エルザの飼い猫シャオ騒動の真相に。「シャオ騒動」。ミス・エルザの愛猫シャオは家猫だ。それなのに、時折ミス・エルザが与えてもいない子魚を咥えているときがあると言う。今もまだその状況は続いているらしい。グランマ・マリーンもその話を知っている。僕らの話はいつしかシャオ騒動の話になっていた。
「不思議な話ですよね。一回でも気味が悪いのに、いまだにあるなんて・・」
「ほんとうにね。エルザが言うにはお天気の悪い日には一度もなくていつも晴れた日らしいんだよ」
「シャオは家猫だから天気がよくても悪くても外にはでないしあまり関係なさそうですけどね・・・」
「シャオにとって自由な外の世界はテラスだけさ。エルザ流の愛情なんだろうけれどね」
ミス・エルザは夫に先立たれ、二人の子供は独立し遠く離れた場所で生活している。シャオが傍にいる唯一の家族なのだ。冷静で賢明な彼女もシャオのことについては心配が過ぎてしまっていることもある。
心配か・・僕だってランスのことになればいろいろ取り乱すことだってある。それが家族ってもんだ。その時ふと、僕の脳裏に一つの仮説が浮かんだ。

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