整骨院は京都桂の「浅野整骨院」

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〒615-8193 京都府京都市西京区川島玉頭町19-1

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浅野整骨院オリジナルストーリー   小説編 「メサ・レドーナ」③

2021年07月10日

ランスの花束がヘレーネのうちのダイニングを彩っている。ヴィヴィアンの育てたハーブの香りが心地いい。ランチは素晴らしかった。ムール貝やカキに添えられたレモンソースはほどよく胃を刺激したし、タラのムニエルは羊のバターが香ばしく、じっくりと煮込まれたテールスープは持って帰りたいと思ったほどだ。エレインの料理の腕を称賛して、昼食後のお茶の準備をしていた時、ちょっとした騒動がおこった。さっきまでエレインの傍にいたアムルがテラスに面した窓をたたきだしている。
「どうしたの。アムル。だめよ。あぶないわ」
エレインはアムルを止めようとしたが、アムルはやめようとはしない。
「ママ、アムルはテラスへでたいのよ」
テラスは日当たりも良く、敷き詰められたグリーンの芝生が目に眩しい。隣との境には軽石凝灰岩でできた柵がある。2mほどの高さがあるため日陰もできる。
「あれはヘレーネのテント?」
ランスが指した先にあったのはピンクのテント。子供が二人なら余裕で入れそうな大きさだ。3階建てアパートメント最上階のテラスは安全な遊び場だろう。
「うん。パパがここへ越してきたときたててくれたの。アムルもお気に入りなの。今もテントに入りたいんじゃないかしら。」
「だめよ。アムルは風邪がなおったばかりなんだから。部屋でお絵描きでもしてて。アムル、言うことをきいてちょうだい」
「ママ・・」
ヘレーネが何かを言いかけた時、ベルが鳴りエレインは玄関へ向かった。
「こんにちは、エレイン。これ、ヘレーネのじゃないかしら?前にバッグにつけているのを見た覚えがあって。」
お隣に住むミス・エルザが持ってきたのは白い毛糸で編まれた小さな兎の人形。
「まぁ、そうですわ。私が編んでつくったものです!」
「手作りだったのね。とっても素敵。実はうちのテラスにあったのよ」
「お客様かい?エレイン」
様子を見にやってきたガレスは客がミス・エルザだとわかると微笑んだ。
「立ち話じゃなく、中へどうぞ。ちょうどエレインのリンゴパイが焼けたところです。召し上がっていってください。」
「まぁ、素敵。この香りの正体はリンゴパイなのね。それじゃぁ、昨日市場で買った山ブドウのワインを持ってこなきゃ。」
ミス・エルザが来ると聞き、僕は密かに確信していた。これはますます賑やかになるに違いないと。

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